トップ万三発言自己紹介掲示板リンク

友の会活動交流集会での講演(要旨)

3.これからのまちづくりの課題

03年1月26日 更新

(1)お金の使い方を住民本位に

・住民の価値観の変化と生活重視型の政治

 次の話に進みたいと思います。これからのまちづくりの課題にはどういうものがあるのか、ということにふれてみたいと思います。先程もふれましたが、まずお金の使い方、私どもが納めた税金の使い方を住民本位に切り替えていく。このことがまず第一です。実際に、住民の価値観というのも相当変わってきている。これは日本中どこでもそうだと思います。今までは駅前に立派なホテルが建つとうれしい、という人もそれなりにいたと思います。別に余裕があれば悪いことでもないのでしょう。しかし何と言っても、安心して暮らしていくことができることが、やはり一番大事ではないかというふうに、住民の意識は大きく変わってきている。このことは、私どもの足立区などでも非常に感じます。

 具体的に言えば、安心して老後も迎えられる、安心してこの町で暮らし続けられる、そういうまちであってほしい。都会は特にそうなのです。年をとったらもうここで住んでいけないというので、どこかに引っ越さなければいけないというようなことが沢山あるのです。安心して子育てができる環境をつくってほしい、あるいは自然環境の問題、あるいはゴミだとかリサイクルの問題なども含めて、自分たちの日常の生活にきちんと目を向けて、大事にしていこうと、そういう意識が芽生えてきています。そういうことと合わせて、政治のあり方、お金の使い方もそういうところに、きちんと切り替えていかなければならないと思いますし、先程言ったように優先順位もやはりきちんと見直していく。このことが大事だと思います。

 最近、東京の石原都知事型のリーダーシップなどがよく話題になりますが、本当の意味でのリーダーシップというのは、何か人を怒鳴ったり、偉そうにしたり、あるいは目立つことをちょっとやったりとか、そういうのが本当のリーダーシップではないのです。やはり首長として一番大事なことは、何にブレーキをかけて、何にこれから力を入れるのか、こういうことをきちんとメッセージとして発せられるかどうかということが、本当の意味でのリーダーシップだと私は思うのです。

 そういう意味では、石原さんは何も新しいメッセージを発していない。何か威張っている姿ばかりが目立ちますが、本当の意味で、今までのやっていたことと何が違うのかというと、あまり変わっていないのです。臨海の開発は今まで通り、そして今まで積み上げてきた東京のいろいろな福祉の施策は次々と切り捨てる。そういう意味でのリーダーシップはあるかもしれないですが、今までなかなか切れなかったものを、バッサバッサと切るわけですから、今までと同じというか、むしろ悪い。

 やはり本当の意味でのリーダーシップ、これから求められているリーダーシップというのは、今までやられてきたことがもうそろそろ変わらなければいけない時期ですから、今までやってきたことの何にブレーキをかけ、何にきちんと力を入れていくのかということを、きちんとメッセージとして発することができなければ、それは本当の意味での新しい時代のリーダーではないと思っています。

・公共事業も生活重視型へ

 既に世界的には、こういう流れはもうあたり前のようになってきているのです。公共事業というと日本では何かイメージが悪いのですが、公共事業そのものも、もっと住民の生活に目を向けた公共事業に力を入れる。いわば大型の建物を建ててから、あとで何を入れようかなどと考えるのではなくて、たとえば特別養護老人ホームの建設などは立派な公共事業ですよね。あるいは子どもたちの通う学校の改築だとか、こういう生活に必要なものがいくらでもあるわけです。ですから公共事業の性格そのものも、もっと生活重視型に切り替えていく、今やこういう時代になっています。

 ヨーロッパでは、ゼネコンは、今や自然にやさしいゼネコンに生まれ変わろうとしている。半分冗談めかして言っていますが、戦後50年かけて川をコンクリートで固めたものですから、今、何をやっているかというと、そのコンクリートをはがして自然の状態に戻しているのです。これであと50年は仕事がある、ゼネコンは生き延びれると言っているのです。(注:スウェーデンでは公共事業の中心は住宅建設でした)。

 「自然にやさしいゼネコン」なんて言われてみますと思い当たります。テレビを見ているとトヨタ自動車のコマーシャルも、エコ○○とか、「自然にやさしいトヨタ自動車」なんて言ってます。今や企業活動そのものも、住民の生活だとか環境だとか自然だとか、こういうことにきちんと配慮をしたような企業活動でなければ、住民から支持も受けられないという時代になりつつあるのです。まだテレビコマーシャルのかけ声だけの部分があるとは思いますが、今や企業活動そのものが変わらなければいけない、そういう時代がきています。

前の表示に戻る

前のページに移る目次次のページに移る

万三発言に移る

トップページに移る

ご意見、ご感想、お問い合わせは吉田万三ホームページまで